2007/12/31

梯子ははずされないように

 久しぶりの更新になってしまった. 

 テレビでは大晦日ということで賑やかな番組が目白押しですが、日本の宇宙政策からなんとも「お寒い」ニュースが飛び込んできた.
 


 
 官民による国産中型ロケット「GX」の開発計画が存続の危機に直面している。日本の宇宙政策を決める文部科学省の宇宙開発委員会は年明けに進ちょく状況の再評価を始めるが、すでに六年遅れ。GXの事業性を危ぶむ声が強まっており、計画の中止・変更までに議論が及ぶのは確実だ。文科省はすでに新たな代替ロケットの検討を開始。計画継続を望む民間側との合意は難しそうで正念場を迎えている。<中略>開発・事業段階の責任分担に明確な取り決めもなく、計画の運営を巡って官民の溝を深める原因となっている。

日本経済新聞 12月31日(月)




 民間側の中心はIHI、三菱商事、川崎重工業などが出資するギャラクシー・エクスプレス社.う~ん、見事に官側に梯子をはずされてしまっちゃいましたね.民間側は既に500億円を投じているというし、あとには引けないだろうなぁ~.でも「開発・事業段階の責任分担に明確な取り決めもなく」というのは、民間側も「おそまつ」と言わざるを得ないんじゃないかな.まさに企業としての事業計画の「入口管理不足」を露呈している・・・.
 IHIにとっては海外プラント事業不振による大幅業績下方修正に続いての暗いニュースになってしまった.市場の信用を回復するためにも来年は正念場となりそうですねぇ~.
 
参考サイト:㈱ギャラクシー・エクスプレス

2007/12/16

今夜はスポーツ三昧

 今夜はスポーツ好きの人にはたまらない夜となったんじゃないかな。

 まずはサッカーのクラブW杯。ACミランがボカ・ジュニアーズを4:2でくだしました。さすがにバロンドールのカカの動きもすごかったが、セードルフの堅実なプレーには目を見張るものがあったなぁ~。選手交代にしてもガットゥーゾ⇒エメルソン、インザギ⇒カフーとこれまた豪華な顔ぶれ。点数こそ途中で開いてしまったけど、ボカのプレーもすばらしく、攻守の交代の早さ(めまぐるしさ)もあって本当に楽しめた試合でした。

 裏番組ではフィギュアのGPファイナル女子。浅田真央がフリーでトップとなるも惜しくもSPとのトータルではキム・ヨナには及ばず2位。でもSP最下位からの驚異的な挽回はさすがミラクル・マオの本領発揮といったところでしょうか。

 フィギュアスケート界ではこのところのアジア選手の勢いはすごいですね。オリンピックの荒川静香にはじまり、世界選手権の安藤美姫、GPファイナルのキム・ヨナ、浅田真央。古くは伊藤みどり、佐藤有香なんかも活躍していましたが、ここ数年はコンスタントに活躍している印象がありますね。かつては、カタリーナ・ヴィットとかデニス・ビールマン(ビールマンスピンで有名)なんかに代表される西洋人が活躍していた記憶があるんだけど、やっぱり日本人の体型も西洋人に負けないような容姿になったのも影響あるのかな。

 個人的にはカタリーナ・ヴィットのファンでした。YouTubeに優勝したカルガリーオリンピックの時の「カルメン」の演技が投稿されてあったので、載せてみました。フィギュアが好きな人はなつかしいんじゃないかな。(技術面では現在の方が上なんだろうけど、演技面というか妖艶さという点ではひけをとらないと思いますね。)
(くれぐれも会社で見るときはパソコンの音量をOFFにして見て下さいね。YouTubeでHP埋め込みの許可が出ていたので著作権的には問題ないと思います。)


 
 書き忘れるところだったけど浦和レッズも3位になりましたね。ワシントンがえらく感動していたけど、オジェックとの確執もあるようだし、来シーズンもレッズのユニフォームを着ているのかなぁ~。

2007/12/09

多様化する雇用環境

 今に始まったことではないが、いろんな企業で労働者の争奪戦が繰り広げられるようになってきた.

Photograph by Yorikazu Inagaki


 三井住友銀行は5日、約2000人の派遣社員を来年夏に正社員として採用する方針を決めた。併せて本部や支店で補助的な業務を担う「一般職」を廃止する。女性の働き方の多様化に対応し、営業や管理職への道を開く。メガバンクは総合職と一般職から成る伝統的な人事制度を守ってきたが、人手不足の解消と競争力強化のため、柔軟な形へ転換する。

 同行は一連の人事制度改革をこのほど労働組合に提案した。組合との調整を経て来年7月1日に実施する計画。派遣社員を2000人規模で一斉に正社員として雇用するのは日本の企業では異例だ。一般職の廃止はメガバンクで初めて。

NIKKEI NET 12月7日(金)




 三菱重工業は定年後に再雇用した社員の賃金を10%引き上げる。12月支給分から実施する。造船や航空機の製造現場では繁忙感が強まっており、再雇用社員が貴重な戦力になっている。処遇改善で士気を高め、若手への技能伝承にも力を発揮してもらう考え。製造業で人手確保が大きな課題となる中、同様の施策が広がる可能性もある。

 同社は2006年度に再雇用制度を導入。60歳で定年を迎えた社員のうち、勤務継続を希望する人と再び雇用契約を結んでいる。再雇用社員は現在500人前後。賃金水準は通常、定年前に比べて4―5割に落ちる。

日本経済新聞 12月6日(木)



 ここ数年の空洞化を埋めるべく、各社とも新卒採用者を増やしているようだけど、それだけでは補えないんだろうな.技術伝承の問題もあるし、やっとのことで採用した若者はすぐ転職しちゃう人も増えているみたいだし、あと数年は各社の採用・人事担当者は頭が痛いでしょうね.

 ニュースなんか見てると超氷河期と呼ばれた世代の人と最近の新卒者との間の格差は広がる一方のような気がしますね.どこでも良いから正社員になりたい人がいる一方で、いくつもの内定をもらったうえに選んだ会社を直ぐ辞めちゃう人.

 政府も「再チャレンジ支援策」を展開しているようですが、最終的には自分で自分の身を守るしかないんだろうな~.

 参考サイト:首相官邸 再チャレンジ支援策

サプライチェーンマネジメントにもCSR

 「予想通り」というか「またか」というか建材偽装の3社のトップが辞任することとなった.いずれの会社も最終的な消費者に製品を提供する会社ではなく、部品サプライヤであるという点で、これまでの代表的な企業不祥事によるトップ辞任とは異なると言えるんじゃないかな.サプライチェーンマネジメントにおいいても「CSR調達」が企業として必須事項となったということが証明されたのはなんとも皮肉なことですね.


Photograph by sue


 建設資材の性能を偽装したニチアス、東洋ゴム工業、栗本鉄工所のトップが相次ぎ引責辞任に追い込まれた。偽装は企業向けに供給する製品が対象。消費者の不信の目に直接さらされ、売り上げに即座に響く食品などの偽装とは異なる状況にもかかわらず、早期引責を迫られたのは部品・資材の調達先にもコンプライアンス(法令順守)などの徹底を求める「CSR(企業の社会的責任)調達」が日本にも浸透し始めたことがある。

日本経済新聞 12月9日(日)



 公共事業なんかでは、各種検査の簡素化を目的としてISOの適用を選択できるようになってきている.発注者側も請負会社側も良い意味で「楽」に工事を進めること(発注者・請負会社の検査対応の負担の軽減?)が目的なんだろうけど、こんな不祥事が続くようだと見直されるかもしれないな~.いずれにしても企業としてはコンプライアンスの順守が必須事項になったということが再認識されたということなんでしょうね.いまさら書くようなことでもないんだけど・・・.

参考サイト:日本の人事部(CSR調達)

2007/12/06

でんぐり返しにも企業の社会的責任

 ちょっと古新聞になってしまいましたが、ついに「でんぐり返し」にも企業としての社会的責任が配慮されるようになってしまいました.

 女優・森光子さんの代表的出演作「放浪記」の名物シーンである「でんぐり返し」について興行社側の東宝がけが等の不測の事態に配慮し「でんぐり返し」を無くす決断をしたようですね.

 昨今、企業の不祥事が相次ぐ中、東宝としても最悪の事態を考慮しての決断なのでしょうね.なんとなく「ことなかれ」主義的にも感じられなくもないが、87才という高齢を考えればしかたがないのかな.


 史上最多の上演記録をもつ森光子さん(87)主演の舞台「放浪記」で、名物シーンの「でんぐり返し」が次回公演から無くなることになった。29日午後、来年1月公演の製作発表で興行元の東宝が明らかにした。

 主役の林芙美子が作家デビューを喜ぶ場面で、森さんは1961年の初演以来、欠かさずでんぐり返しをしてきた。菊田一夫発案の演出は観客のお目当てでもあるだけに本人は続けるつもりだったが、高齢を考慮した東宝がやめるよう申し入れた。「会社の社会的責任から言っても、不測の事態は避けたかった」という。

 森さんは「さびしいの一言ではすまない複雑な気持ちで、お客様には申し訳ありません。ある日、やってしまわないか心配です」と話していた。「放浪記」は上演1858回を数えている。

NIKKEI NET 11月29日(木)



 そもそも、これまで続けられてきたというだけでも驚異的ではあるし(毎日ヒンズースクワットをしている賜物か)、会社側としても言うタイミングをずっと考えていたんだろうな.反響は大きいだろうから、担当者の英断はたいしたものだと思う.

 自分の87才を想像してみると、とても「でんぐり返し」ができる自信がないな~.節制せねば・・・.
 

2007/12/04

行ってきました.道後温泉

 この間の3連休に、四国は松山の道後温泉に行ってきました.

 四国は、しまなみ海道の来島海峡大橋の手前までは行ったことはあったのですが、実質的には今回が初上陸といった感じです.


道後温泉本館
PENTAX ist DS2, f=20.0mm, 1/8sec, f/3.5,I SO800

 行きはしまなみ海道、帰りは松山港からフェリーという自動車での一泊コースでしたが、行く途中で、娘が高熱を出しはじめて、愛媛は今治で小児科に立ち寄るはめに.
 また、嫁はなれない後部座席のせいか、車酔いとなってしまい、途中の観光スポットには寄らず、道後温泉に直行といった感じでした.

 個人的には途中の風景なんかも写真におさめたいと思っていましたが、こればっかりはしょうがありませんね.(旅行から帰ってきてから、嫁と娘たちの体調がすぐれず、娘たちは幼稚園を1週間休むこととなりました.)

 わたしはというと、一人元気で、道後温泉についてからも、家族を旅館に残し、ぶらりと周辺のスナップを撮るべく散歩にでかけた次第です.

 そんなこんなであまり観光は出来なかったんだけど、道後温泉周辺は街づくりが綺麗に整備されていて、なかなか気持ちの良い町でしたね.路面電車なんかもあってなかなか風情がありました.

 聖徳太子や大正天皇、昭和天皇が入られたという道後温泉本館は夕方は予想通り混み合っていましたが、翌日の早朝にゆっくり入浴することができ、名物「坊ちゃんの間」なんかも見物できて良い思いでになりました.

 また、道後温泉に行く途中には最近できた急速立体の「小坂交差点」があり、高架橋側はスムーズに自動車が進んでいましたね.(是非とも、高架橋側を車で乗ってみたかったのですが、時間の都合上断念しました.)

 急速立体化技術は建設一般の記述の1アイテムとして使えるかもしれませんね.
「交通渋滞⇒急速立体化技術の採用⇒渋滞による温室効果ガスの抑制⇒地球温暖化防止への貢献」といった論旨の展開で応用できのかなと.


小坂交差点の詳細は四国地整からインターネット上に公開されています.そちらを参照下さい.

 道後温泉で撮った写真はLink_photographNoah's photo gallery powered by Picasa Web Albumに公開保存しましたので、コーヒーブレークの時にでも覗いて見て下さい.また、しばらくの間サイト右側にSlide showとして掲示しておきます.

 ことしは、比較的国内の小旅行に結構行ったのでその時撮影した写真なんかも今度upできればと考えています.

2007/11/24

建設部門(鋼構造及びコンクリート)合格体験記

 わたしが建設部門に合格したのは平成14年度です.

 もう、だいぶ昔のことで、試験制度も変わりましたが、建設一般や専門の勉強方法については少しは参考になるんじゃないかな.

 [スケジュール]
 スケジュールについてはほとんどsukiyaki塾に記載されてあった対策に従って勉強してましたね.ということで、これから受験を考えてられる方は是非ともsukiyaki塾をご覧になることをお勧めします.(スケジュールだけじゃないんだけど.)

 [建設一般]
 建設一般については、はっきり言ってあまり勉強しませんでした.というのも初めての受験だったので、絶対受かるぞという心構えが出来ていませんでしたね.当時は設問の内容に対してあまり興味がなかったというのが正直なところです.(だから、勉強にも気が入らなかったんじゃないかな.)

 まず、白書はほとんど読みませんでした.会社の上司や先輩にはたくさん技術士がいたんですが、誰も「読んどいたほうがいいよ」とアドバイスしてくれた人はいなかったと思います.

 やったことはざっと以下の通りです.

  1)過去問を5題程度.
  2)先輩が残してくれた論文を3つぐらい斜め読み.
  3)土木学会誌、日経コンストラクションの通読.
  4)自分なりに想定問題を5つぐらい作って回答を準備.

 その中でも力を入れたのは3)と4)だったかな.後にして思えば土木学会誌や日経コンストラクションには有益な情報があったんだと思います.なので3)はお勧めしておきます.もちろん白書の勉強はやって下さい.

 ちなみに選択した設問は「社会経済情勢が変化する中で、これからの都市部と地方部の社会資本整備のあり方」です.準備していた想定問題とほとんどドンピシャだったんで、最後の行まで書いた記憶があります.

 [専門(鋼構造)]
 専門は社団法人 日本橋梁建設協会というところの出版物を使って勉強しました.どの出版物も実際に業務にあたられている方々が執筆されているので、細かいところまで行き届いたものになっていると思います.リンクをはったところに購入方法も載っているようなので、是非参考になされることをお勧めします.

 あと、今一冊お勧めするのが橋と鋼(建設図書)です.内容や目次はリンク先に載ってますので、ぜひご覧にになってみて下さい.Amazonのリンクも貼っておきます.値段はすこしはりますが、中古でもあるようなので.ちなみにわたしの勤務先でも数冊購入しているんですが、わたしは個人的に持っていたかったので、昨年中古で購入しました.

 [勉強時間の確保]
 これは、仕事の状況や立場、プライベートの環境によってひとそれぞれなので、あくまでも参考に.

 わたしが受験したのは結婚2年目で嫁のおなかに娘がいるときでした.仕事のほうもようやく戦力として認められはじめた時期だったんで、結構忙しかったですね.

 なので、完全に「すきま時間」を利用していました.具体的には、ちょっと早めに出社して就業前に.お昼の休憩時間.そして、会社帰りに1時間くらファミレスでコーヒーを飲みながら.といった具合です.性格的に集中力は1時間ぐらいしか持たないタイプなので、かえってちょうど良かったんだと思います.

 これはほんとに人それぞれだと思いますので、自分のBestな方法を早めに確立してみて下さい.

 以上、参考になりましたでしょうか.

 参考図書については、またの機会により詳細に紹介しようかなとも思ってます.